飲食店における生産性問題
飲食店で働くとは?
大きな産業であるはずなのに、飲食業の立ち位置は正直なところ高くはない。
ロイヤルホストの菊池会長の講演をもとに外食の未来について考える。
業界がかかえている問題とは?
1.低い生産性
長い労働時間、サービス労働もあり、長時間の立ち仕事、仕事時間が夜までかかることが多い、土日祝や年末年始などに休みを取りにくい。
限りある売上は従業員で分配しなければならないが、少ない人数ではお店をまわすことができない。店内の販売のみでは限界があるのは、商品の生産・提供・消費に「同時性」があるからだと指摘されている。
2.高すぎる期待値に対して低い対価
飲食において求められることは多い。お客様の対面でのサービスはもちろんとしてその裏側の準備も含めてである。海外ではチップなどを通して直接サービスに対価を払う仕組みがあるが、日本にはない。
探究心が求められ時間や負荷がかかる仕事にも関わらず賃金に反映されないのは、季節や曜日ごとの不安定さがあることも要因だ。
サーバー(サービス提供者)が正当な評価を受けているとはまだ言えない世の中にある。
3.「内食」「中食」の高まり
年々、外食への平均消費支出は落ち続けている。
食事は毎日摂取するものではあるが、「節約したい項目」「贅沢したい項目」で両方とも1位になる二面性を抱えている。
家で素材から調理する「内食」と、外食と内食の間にあたる「中食」の市場が過熱している。改めて外食の必要性と価値が再度見つめなおされている。
4.客席×客単価の売上構造に依存している
1にもあるように店内の販売には限界がある。飲食店の売上の方程式は未だに「客席
×客単価」で説明されることも多いし、繁盛店かの指標を坪30万超えかなどで語られることもある。
また店舗展開をすることが企業の成長だと認識していて、とくにチェーンは規模の経済を追求している。結果自社の共喰い(カニバリゼーション)を起こしたり、増収なのに減益の事業構造を作り出してしまうことが見受けられる。
5.人口減少
世界人口は増加し続けているが、日本は人口が減少の一途を辿る稀有な国。今経済成長を続け、成熟している国も人口減少の可能性はある。外食産業のみならず日本は良い意味でも悪い意味でも前例となる国となった。
とりわけシニア世代の人が飲食に対しての出費をリードしていた分、若年層に対してのアプローチが求められるなど世代の区分けも必要かもしれない。
6.仕入れ価格の高騰と上げられない販売価格
失われた20年といわれ長らくデフレがあり安価で食べられるものが市場を席巻していた。その反動でインフレ下でも価格を上げにくいものがある。特に既存の商品は難しく、牛丼を100円値上げするのも大変な出来事であった。しかし材料費は高騰の一方で利益構造を従来の方法では確保できないお店もある。
生産性の方程式
生産性=(売上ー仕入)/従業員数
生産性をあげる為に
①付加価値の向上
②新しい市場の創造
③従業員、労働時間の削減
が求められる。
解決へと導く方法はあるのか。
1.海外への出店
新しい市場の開拓。和食はユネスコにも登録され、注目されているがまだまだ企業としての出店は限りなく少ない。注意しなければならないのは海外進出だけが目的となってはいけないことだ。
2.最新技術、AIの導入
調理機材、予約台帳、レジシステム、キャッシュレス、ペーパーレスと最新技術の導入には慎重な企業が多い。積極的な採用は効率化を大幅に進めるし、生産性をあげることに直結する。
ロイヤルホールディングスが運営するGATHERING TABLE PANTRYはまさしく技術を詰め込んだ次世代の運営に向けたテスト店舗である。
3.フードロス問題
仕入れ原価のダウン。ロスが増えれば当然原価率は上がり利益率は下がる。SDGs(Sustainable Development GOALS)世界を変えるための17の目標は外食産業と密接な関わりを持っていて、環境問題に取り組む企業は熱い視線をあびる。食の将来性は、食料不足や動物性タンパク質などのトピックは世界で議論されている。
4.店外販売
テイクアウト、デリバリー、ECサイト等。店外に販路をつくることで新しい市場の拡大が見こめる。従来の売上構造の制限を超えて売上を作ることができる。
5.スタッフ教育
肉体労働やシステムの単純作業は誰にでもできる。サービスの要である感情に訴えかける労働やその場の会話はお店で働く人にしか出来ない。働く人にかかる負荷は大きくなるがブランドの強化になり、強い付加価値となる。
2020年は飲食産業において大きな転換期となった。
縮小していく市場もあるが、ビジネスを拡大するチャンスとも取れる。
飲食産業と和食の将来性が期待される。
コロナ期間で飲食店がした9つのこと
2020年4月7日に発された緊急事態宣言。
窮地に立たされた飲食店とその対応はどのようなものがあったのか。
1.テイクアウト
店内飲食を控えて、店外での需要に注いだテイクアウト。
食の場が「お店」か「家庭」かの2択をはっきりとさせた。
市場が拡大しつつあった「中食」の新しい方向性。
完成された一品でなくても、パスタソースや冷凍などパウチされたものもある。
個店ごとではもちろん、地域などのまとまりで団結を見せながら広告を打ち出すこともあった。
福岡の繁盛店さんたちでスタートした「テイクアウトFUKUOKA」
動き出しが早く4/6にスタート。
2.デリバリー
出前館、Uber Eats、fine Dineなど飲食店の料理を自宅まで運んできてもらえる。飲食店は、自店の席数に縛られることなく売上を伸ばせる。顧客にとっては注文すれば待っているだけで食卓の準備をすることになる。また働き手にとっては雇用を生み出せるメリットもある。ただ、配送料や店内で食べる価格より上乗せもされるので安価という点では少しデメリット。時間と手間をお金で買うイメージ。
テイクアウト・デリバリー助成金も発表され、各店で導入が加速して進んだ。
自前でデリバリーをしに行くサービスも取り入れられた。
サカナバルを運営する株式会社アイロムは、社長自らがお届けに行く斬新なサービスがメディアにも取り上げられた。根強いファンと対面でつながりを再認識する機会となる。
3.マルシェ
飲食店の新しいかたち。
料理・サービスを提供する飲食店の売上の構造を抜け出して、普段仕入れている食材やグッズ、料理を物販できるようにした。
お客さんと密接に近づき、ブランド力を強く 発信する場となった。
お店で使ってる野菜の農家さんたちまで紹介できる価値を高める手段の一つとなった。
4.ECサイト
楽天に出店することや自社でサイトを持つことで市場を世界とできるようになった。
電子の免許等が必要になったりするのでその点は注意が必要。
⬇︎ECサイト作成のタメになる記事。
5.出張シェフ オンラインキッチン
シェフの料理が家庭で楽しめるサービス。
料理人と直にコミュニケーションが取れる。シェフもファンと交流ができて直接感想が聴ける。
出張シェフは目の前で調理してもらえるライヴ感。
オンラインキッチンは、料理教室のような形で
食材は各自が用意し、
10:00から調理を始めてお昼ごろに完成して食べられるようなもの。
作った料理を他の参加者や自宅にいる人とシェアできる。
料理人のもとに集まる飲食店とは逆のベクトルで、料理人が家庭に遊びに行けるというもの。
一緒に作るという点では、料理教室というより料理人とのセッションとのこと。
6.クラウドファウンディング
プロジェクトを立ち上げ、支援金を募る。
世の中では大きな主流だが、飲食店がこの機に大きく参入。
生産の現場や販路拡大など、川上と川下に活動の場を広げることとなる。
7.さきめしごちめし 飲食店前売りチケット
株式会社キッチハイクやサントリーなどと協力したGigi社などが打ち出したサービス。
飲食店さんの手元に現金が入るような仕組み。応援制度。
キッチハイクがこの制度を出したのは2月のこと。
8.ミールキット販売
料理をする人が増えCOOKDOなどの簡単に本格料理ができるキットが注目された。
「作っている人の顔が見れる」ことと「化学調味料を使わない自然な味わい」ことから飲食店や大手でない会社からのミールキットが人気になりつつある。
個人的な所見だが、自由度が高いミールキットは今後伸びていく市場のように感じる。
Oisixは人気料理家が監修のレシピが楽しめる。注文が集まり一時販売中止に。
9.限定つき酒類小売免許
期間(6カ月)内で飲食店で小売りができる免許が難易度が低く申請できるようになりました。飲食店を通して購入できるワインや日本酒。工夫としては量り売りなどをすることによって簡易的に持ち帰れるなど。
これからの飲食産業が大きく変化する節目となった2020年。
経済は停滞したが、個人・家庭単位ではそれぞれのイノベーションを起こすこととなった。
新しい文化と人の形が発展していく。
飲食店でマルシェする これからの暮らし
フランス語で「市場」の意味。
最近はいろんな意味が付帯して〈オーガニック〉のイメージがあるけど、
そもそも人が食材などを軸として集まる場。
社会の構造が移り変わる昨今、マルシェの形も変わろうとしている。
今まで見られた光景は
①道の駅など地域ごとでの取り組み (ex.豊丘村 とみおかマルシェ)
③生産者と話せる場 (ex.青山ファーマーズマーケット)
であった。
マルシェはモノとヒトがあれば開催できる。
今そのマルシェが飲食店へと次のステージを広げている。
④飲食店を通してつながるマルシェ
がまさしくその形である。
写真は、六本木や恵比寿など都内4店舗を構えるイタリアンのKNOCKさん。
飲食店がマルシェをする意味合いとして
⑴お客さんとのつながり、顧客接点が増える
⑵通常の営業時間外の売り上げが立てられる
⑶普段使っている食材や生産者などの紹介ができる
⑷SNSを通じて情報発信ができる
食材を買うことはおおよそのマルシェで出来るが、そのままプロの料理を味わえることは出来ない。
しかし飲食店でマルシェをするということはプロに調理方法も聞けるし、どのような完成形になるかがすぐに想像できる。
ソースなどはパックにして販売も出来るし、冷凍で作ればロスもおさえられる。
フードロス対策などもやりがいが大いにある。
派生でECサイトに流すのもよい。
こうして飲食店がマルシェを開催することでお客様とのつながりを再認識し、新規・既存ともに根強いファンへとするきっかけとなる。
キッチンに入ることのない一般の人も、農家さんの顔が見えたり新鮮で質の高い野菜やお肉を見ることでレストランへの価値を高めることにもつながる。
さらに、
飲食店の売り上げは時間と席の制約があり、基本の客数×単価の構図から抜け出せずにいる。
しかし、マルシェの小売はその枠を超えて様々なポテンシャルを持ち合わせている。
営業時間外を中心として店内を活用する動きは今後活発になっていく可能性があり、カフェではあることだが企業とタイアップしてPRすることもできる。
こうした流れは飲食店がしてきた従来の営業スタイルから大きく飛躍するかもしれない。
飲食店のスタッフさんは本当にレベルが高い。
食材一つとっても知識が深いし、接客もよい。
情報発信力があり、営業力がある飲食店は今後小売のあり方を変えるかもしれない。
「安く多く」の流れから、価値のあるものをより身近に感じられるマルシェの形が近くにきている。
#stay homeであり#keep hopeでいこう
お題「#おうち時間」
家の掃除、こだわりの料理、ネットショッピングに動画を見たり。
今までできなかったことに充てる時間。
コロナ疲れはぜいたくな悩み。
満員電車に揺られずに、コミュニケーションの軋轢に巻き込まれないのは嬉しいっちゃ嬉しい。
だけどこのままでいいはずもない。これからの未来どうなっちゃうんだろう。
ゆるやかに社会は回復するけど、さて元どおりじゃもったいない。
どうせなら、コロナ期間を通してよりよい社会を手に入れたい。
またやがて友達と会えるようになる。だけどただの再会じゃない。#stay homeの間に人との結びつきを考え再確認した。SNS上でも人とつながれる。物理的な距離は離れていても心の距離は近い人がいる。でも会えるってやっぱいいものかもしれない。
お家でご飯食べるのが当たり前になった。普段作らない料理を食卓に並べたり、テイクアウトやデリバリーでプロの味が家でも楽しめる。いわゆる内食・中食というものだ。これから外食の構造は大きく変わると思う。行きつけの店と特別な店の二極化が進むかも。食事ってお腹に満たすだけだったらどれも変わらない。だけども、外食って楽だからするってもんでもない。思い出とか、そこでしか出会えないものがある。
#stay homeしてる間いろんなことを考える。大そうなことではないけれど。これからの働き方とか暮らし方とか。でも変わったらいいなじゃ変わらない。
〈あのコロナを乗り越えたから今の豊かな暮らしが手に入った〉
そう言えるようにしたいからから変える努力を今したい。
一生懸命は疲れちゃうし、何かを変えるエネルギーって相当なもの。だから適度でいいかな。「こうなったら素敵だよね」とか「こっちの方が面白いね」とかゆるく語るくらいで。
本を読んだり、アルバム見たり、ゲームをしたり、ゆっくり寝たり。
最近よく笑うようになったのは少しずつ豊かな生活を見出そうとしてきたからかもしれない。
大切な人を守るために#stay home
明るい未来を手に入れるために#keep hope
子どもに「勉強しろ」と言う前に勉強する意味を教えた方がいい
人よりも少しだけ早く、そして少しだけ長く反抗期があった気がします。
思えば、親に対して苛立ちを覚えたのは理不尽さや命令口調が原因でした。
その中でも、よくあるのが「勉強しろ!」という言葉。
勉強することは子供の僕にとって苦痛でした。
学校のテストで100点取ったって小学生の頃は大してすごく無いし、宿題だってどんなに大量に出されてもやってくるのが当たり前。もしやって来なかったらペナルティーやマイナスイメージ。得することが無い。だけど勉強はやらなくちゃいけない。
周りの人に聞いたこともあります。
だけど、納得する答えは返ってこなかった。
だったら、友達とカードゲームしたり、野球したり、一人でロールプレイングゲームに向かってたかったです。
だって、それらは純粋に楽しいし、次に自分が勝つためにどうすればいいのか考えた。それが面白かったんです。
そんなこと考えながら中学校に入学し、塾に入りました。スパルタもスパルタ。出来なきゃ怒る、そんな塾でした。愛はあったけど暴力もありました。勉強をやる意味なんて考えてる暇なく、怒られた時の悔しさと褒められた時の喜びを繰り返し、進学校に入学します。
高校に入って驚いたのは、皆が一生懸命勉強に励んでいることでした。
昼休みも勉強していたので、思わず聞いてみたことがあります。
「なんで勉強してるの?」
答えは驚きでした。
「大学に入りたいから」
たった一言ですが、僕はこの一言に今までの自分とこれからの自分を壊されたように感じました。
今まで好きなことを制限してまでやらされていた勉強は大学入学のためだけのためにやってきたのか。泣きながらやらされてた中学の勉強は、別に行かなくてもいい大学のためだけだったのかと思うと、それまでの自分を否定されたかのようで、
また、このまま何も考えずに勉強していては自分の将来が危ういと痛感しました。 スパルタだった塾のおかげで成績は悪くはなく、ひとまず同じような勉強方法を続け、そして何故勉強するのかを必死で考えることとしました。
まず始めの理由は『負けたくないから』
勉強を競技と置き換え、どういった勉強方法なら相手を出し抜けるか。ここで重要なのは、四六時中勉強すればいいというわけでは無いこと。抜く時は抜き、必死になるときは必死になる。まず成績で勝つことが第一ですが、勉強時間が短ければさらに良し!といった具合です。
このときの勉強は楽しくなりかけてた。初めてと言っていいほど、自分から勉強をしたからだ。そりゃ当然。作戦を練りあげたら、それを実行したくなるものだから。
そして次に、勉強への熱心な取り組みは他のものに良い影響を及ぼすとわかる。
そこで次の理由づけ。『良い成績を出すためではなく、賢い人間になるために勉強する』
例えば部活で音楽をやったときも、やみくもに練習するのでは無く、まず練習方法を考える。
親の手伝いをする時も、まず全体の構造を把握してから、その作業をする意味、そして効率を考える。 つまり、全体を見る観察力とそして何より先にまず考えることが出来るようになったわけだ。
ここまでくると学校の勉強も少しずつ意味を成してくる。そして自分に言い聞かせる「大学入学なんてためじゃない。自分のこれからの人生のために今勉強してるんだ。」
そして、最後に科目ごとの意味を考える。 高校時代、良い先生に出会いました。日本史の先生でその人の話を聞いてると歴史って面白い!って心から思えてました。
日本史にのめり込んだころ、いろいろなことに気がつきます。
なぜ、江戸幕府は京都ではなく江戸に出来たのか。
気づいたのは、「歴史に名前を残している人たちは、よく歴史を知っている」ということです。 歴史上の過ちを繰り返さないために、自分は何をするか考えた結果、それを行動に移し、結果名前を遺すこととなる。 歴史に名前を残したいわけではありませんが、今生きている自分たちに求められていることもそういうことだと思います。個人レベルでも国家レベルでも歴史を知っているかどうかでは雲泥の差があります。
数学は?国語は?音楽は?それぞれの科目の意味を考えれば考えるほど勉強が面白くなりますし、その答えは自分でしか見つけられない特別な価値を持つと思います。
この文章を通して、勉強をすべきだと主張したいわけではありません。
子どもの頃からスポーツに打ち込む人がいるように、また音楽に打ち込む方もいます。その方たちはその何か打ち込んだものから、人生の糧となるような経験と発見をしているはずです。それが、勉強にもあるんだと。それを伝えたかったのです。
そしてタイトルにあるように、ただテンプレのように「勉強しろ」というような大人にはならないでください。