モダンタイムス

ジャンルを①食事②社会問題③書籍紹介④旅行に分けた、不定期更新ブログです。

逃げるのは「選択」であって「敗北」ではない

職場の人が好きになれなくて、「明日仕事かー」と思う度にネガティブな気持ちがそこにあった。

これが俗に言うストレスというものだろう。

幾度となくそんなもの乗り越えてきた。今回も嫌な時期はすぐに通り過ぎる。

 

 

 

「今日も頑張るぞ!」

 

 

 

そう思いながら、通勤に1時間をかけて職場へ向かう。

1時間は長い。だけれども、通勤は好きだ。

人はさほど多くないし、何より端っこに座れる。

電車で座る時は両隣の人に気を使わなければならないのだが、端の席に座るとそのストレスがまるで無い。

 

お気に入りの伊坂幸太郎を読みながら職場に着く。

 

 

ほとんど決められた仕事なので、作業スピードを上げるためにいつも時間を計ってタイムアタックをしてる。

こういう自分は真面目って言うんだろうな。なんて一人で考えながら。

 

 

そして、上司が呼びかけるのが聞こえる。

「ああ、最悪だ。」

 

 

上司こそが嫌いな人間。

人によって指摘を変えるし、嫌味くさい。

声が小さくて、聞き返すと、「そんなこともわからないの?」と返してくる。

彼の声が聞こえないだけなのに、なぜ私がバカだということになってるのか。

 

納得できないけど、仕方ない。

無理やり気持ちを抑え込むしかなかった。

 

 

帰り道は嫌いだ。

職場で気分は落ち込むし、さらに1時間もある。

京王井の頭線は劇混み。

「もう入れないよ!」と思っても、どんどん人は流れ込んでくる。

不思議なことに全員入る。だけれども携帯すら手に持てない人込みは最悪。

自分がその構成員の一人であることに気付き、ちょっと落ち込む。

 

 

 

今日も嫌なことはあったけれども、仕事なのだから仕方ない。

ストレスと戦うことには慣れている。

中学校の時は野球部の部長で、よく監督にいじめられたけど耐えきった。

死のうと思ったことは何度あったけど、最後までやりきった。

留学した時だって、何度となく辛いことはあったけど努力し続けた。

 

強い人間だから。

大丈夫。

 

 

 

1時間の通勤を終えて、仕事に入る。

その日に「きっかけ」は起きた。

 

上司の呼ぶ声。

誰かのミスを私のミスということにして怒号を飛ばす。不可解。

私が一番の新入りだからだろう。口調が同僚に対するものと違う。意味不明。

 

ああ、やっぱり辞めたいな。頭を少しよぎった。

その時は本気じゃなかった。

 

しばらくして、上司から指示が飛ぶ。

今回は声がきちんと聞こえたので、その通りに動く。

そして報告。

 

 

 

 

 

「お前、何やってるんだよ!!」

 

 

 

 

突然怒鳴られる。

普段は一喝入れて、その後ネチネチ続けるといった手法だが今回は違う。

本気で怒ってる。

意味が分からずおびえる。

 

どうやら、先ほどの指示には注意事項があったらしい。

例えて言うなら、

「色違いのバッグがあるからそっちは買わないように。」とか

「ポストが東と西にあるけど、東のポストには何も入れないように。」とかそんな感じ

 

私は聞いていない。

エスパーでもない限り、その聞いていない注意事項を把握しておくことは不可能だ。

 

「なぜそれを先に仰ってくれなかったのですか?」

 

その言葉が言えない。

罪もないはずの私がものすごい勢いで怒られている状況が理解できずに。

 

 

 

今までで一番嫌な帰り道。

軽くよぎった「辞めたい。」が本気になってきた。

 

 

けれども私は何かを途中で放り出したことがない。

熱狂的信者ではないけれど、「継続は力なり」が正しいと思っているし、途中で投げ出すことを自分が許すことはこれまで無かった。

 

テンションが下がり過ぎて、そのまま溶けてしまいそうだったので、友人に相談することに。

優しい友人だ。私のことを気遣った言葉をかけてくれる。

友人は「辞めること」を提案してくれた。

 

 

 

 

 

家に帰って一人。

無料マンガアプリのcomicoを開く。

無感情で読み飛ばしていたが、あるところで手が止まる。

長く使っていなかった涙腺がゆるむ。

 

ある漫画の一コマ

底抜けに明るい声で、

『逃げるのは「選択」であって「敗北」じゃないぞぅ!』

 

 

 

ああ、そうだ。

それまでの暗い気持ちが飛んで行った。

辞めようと真剣に考えだしたからだ。

そして、漫画が辞めることを真剣に考えさせてくれた。

 

普段ギャンブルと、ゲテ物しか食べていない白金らんぷ先生に助けられるとは。

 

 

 

翌日、「辞めます」と上司に告げた。

驚いていた。

「おだやかじゃないね」とでも言わんばかりに。

 

 

急に辞めれるはずは無かったので、1カ月は続く。

しかし、暗い気持ちは一切無い。

だって、私は最高の「選択」をしたのだから。